カンボジアのシェムリアップで、1日の終わりに会う度にタトゥーが増えていたベトナム人と仲良しになったことから、ネパールに住むアーティスト兼子ども向け絵画教室の先生をしているという友達を紹介してもらうことになった。インドのバラナシから電車とバスを乗り継いでネパールのカトマンズへ向かう途中、インドの国境を越えるものの隣国ではあるため、ネパールもほぼ似たような国だろうと多少のカオス感を覚悟していた。しかし道路を走る車のお行儀の良さや、バス停から宿に向かうために利用したバイクタクシーとの値段交渉の際に100パー高めの料金設定だろうと強気で値切ったら困った顔をされ、あっ、これマジなやつだったんだ、、、と申し訳ない思いをしたことで、穏やかで礼儀正しい人の多いネパールは僕にとってものすごくストレスの少ない国だということが分かった。
そして何より、これから会う子どもたちは今までとは違ってちゃんと絵の勉強をしている子らなので、彼らがどんな絵を描くのかワクワクしていた。先生の勧めもあって教室が開かれる週末の2日間しっかりお邪魔し、合計で18人もの子どもたちに絵を描いてもらった。
僕のプロジェクト(この言い回しかっこいい)を手伝ってもらう前に、子どもたちは自分達が既に描きはじめていた作品の続きに取り組んでいた。それはもうさすがというか当たり前なのだが、みんな画材の扱いに慣れており、1人も大量の生クリームで有名なエッグズシングスぐらいモリモリに絵の具を出す子もおらず安心した。対日本の子どもだったら「おでんのカラシくらいにしておこうね」とか言って使う量の調節を促していたところだが、そんなことを思わなくていい時点でここで僕の役目は特になく、ニヤニヤして彼らの様子を見守るだけだった。そしてアート教室なだけあって、目の前に置かれた鳥の写真のスケッチをする子がいれば、自分で決めたテーマをキャンバスにアクリル絵の具で絵を描く子、「抽象画だ」と言って筆に従って腕を動かしている子など個々に取り組んでおり、”アート活動してます”感があった。
授業の後半の時間を頂き、子どもたちに協力してもらった。今回もいつも通りテーマは自由。すぐに描き始める子、少し考える子それぞれだったが、今まで描いていた勉強のための絵とは違って一気に一人ひとりの表現が滲み出ていた。ほんの数分前までゴッホの絵を見本にして繊細だった男の子の筆遣いは、それをすっかり忘れたかのような豪快さで海をベッタベタに塗っていたり、大人が「これ何!?」と聞きたくなるような絵があったり。絵の技術が上達しても、子どもらしく大人には思いつかないような発想がしっかり残ってていいなあと思った。
パールト 7さい ネパール🇳🇵
リシマ 11さい ネパール🇳🇵
カシュミー 9さい ネパール🇳🇵
ヤブサル 9さい ネパール🇳🇵
絵の描き途中で急にサッカーをやりはじめる子がいなければ、周囲の人々が野次馬にやってくる事のないこの回は、僕にとっても実にイージーだった。イージーというと聞こえが悪いので言い直すと、めっちゃ楽だった。絵を描くための場所に来ている子どもたちなので当たり前なのだが。
全ては載せきれていないのでインスタ見てください!
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