“これまでにない猛暑が予測されてるよー!気をつけて!”
スペインのマドリードの空港にて、ロンドンに住む友だちから受け取ったこのメッセージ。この言葉の本当の意味を理解するには、もう少し時間が必要だった。
猛暑とはいえ、所詮ロンドンの猛暑。最高気温40度を記録したマドリードにいた僕にとってそんなことはもはや大した問題ではなかった。
まあ、少し多めに水分摂っておくか〜。ぐらいに思っていたが、ロンドンにとっては大問題だった。
僕がロンドンにいたのは2泊3日。そのうち2日は最高気温39度あり、その暑さゆえに地下鉄は運休するし、人々には外出を控えるよう警報が出ていたそうだ。そんな事を知らずに僕は美術館空いてるなあ〜とか、レストランの張り紙に”暑くてシェフがお店に来れなかったので休みます”と書いてあるのを見かけて、根性ないな〜なんて気楽に思っていた。
さらにその暑さの説明を加えると、暑さに慣れてないロンドンは冷房設備の整っていない場所が多く、地下鉄やバスといった公共の交通機関もそうだし、僕の泊まった宿もそうだった。
チェックインをして部屋のドアを開けた瞬間、むわあああ〜と迫り来る熱気と誰かのニオイ。その臭いはなかなか強烈なはずなのに、それをかき消すほどの暑さ。ほんの数分の間に荷物の整理をしてシーツを敷いたりして準備を済ませたはずなのに、着ていたシャツの色が、もともとその色だったかのように汗で全体的に濃くなっていた。
逃げ出すようにして宿を出ると、猛暑のはずの外の空気が涼しく感じた。食事に向かう途中、ホームレスのおっちゃんに「汗すごいから着替えなよ」と言われ、「お前が言うな」史上最高に、お前が言うなと思ったが、言い返す気力もなかった。
そんな暑さだ。子どもが外で遊ぶわけなかった。いちおう夕方の時間になっていくつかの公園に行くが、当然子どもは一人もおらず、いても半裸になって草むらで寝そべる大人だけ。
ロンドンの子どもはみんな溶けちゃったんだなあ~と思って諦めました。
コメント