異常な暑さのなか公園を探して歩き回ってみたものの子どもは1人もおらず、どれだけ探そうがいないものはいないので、諦めて日陰でのんびり本を読んでいたところ、一人の女性が「プラネタリウムへの行き方知らない?」と尋ねてきた。首にカメラをぶら下げ、大荷物のどう見ても観光客のアジア人によく声をかけたなと思いながらも、「ごめんねわかんないや」と答える。きっと彼女も暑さでまともな判断が出来なかったのだろう。もしあと2~3度気温が高かったら彼女はより判断力が鈍り、「場所は分からないんだけど、一緒にプラネタリウム行かない?」とか言っていたかもしれない。惜しかった。
そういえば地下鉄の駅がなんとかプラネタリウムみたいな駅名だったなと思い出し、彼女が去った数時間後、最後の望みをかけて俺もそこに行くことにした。
歩きながらGoogle mapのルートを彼女に見せてあげればよかったなと思うが今さらそんなこと考えてもしょうがない。そして道中は人の気配が全くなかった。
マドリードから人は消えたのだろうか。もうすでにこの街は地図上から消されているのかも知れない。バスターコールがかかり、俺がこの街に来る前に海軍大将がここにいたのかもしれない。
もう帰ろうとしたその時、オハラの生き残り、、、ではなくて、2人の女の子をプラネタリウムの目の前の公園で発見。彼女らならこの空白の画用紙を素敵な絵で埋めてくれるはずだと信じ、声をかけることに。
パパさんに「オラ!」と挨拶し、英語で交渉をしてみるが、彼はスペイン語しか話せないとの事。しかし、テクノロジーが発達しまくってるこの時代、スマホに出来ないことはトイレ後のお尻を拭くことぐらいで、すぐに翻訳機能を使ってコミュニケーショを取ることができた。
それではかわいい姉妹の作品をどうぞ。
【キツネ】
なまえ:ビクトリア
ねんれい:7さい
くに:スペイン🇪🇸
パパさんより英語の話せるお姉ちゃんでした。学校でお勉強したのかな?かわいいキツネちゃん。携帯のストラップにこんなのありましたよね昔。
有無を言わさずお姉ちゃんにオレンジの色鉛筆を奪われていました笑
なまえ:バレンティナ
ねんれい:2さい
くに:スペイン🇪🇸
クレヨンにしようか色えんぴつにしようか迷いながら、あーだこーだスペイン語で話しながら描いておりました。
スペインでは収穫なしかと思われましたがなんとかなりました。この親子に向かって何度「グラッチェ」と感謝の言葉を伝えたか分かりませんが、その日の夜に分かったことは、スペイン語でありがとうは「グラシアス」だったということです。
満足して帰路に着くと、向かいからプラネタリウムを鑑賞し終えたさっきの女性がこっちに向かって歩いていた。数時間前に分からないと答えたくせにここにいる自分。気まずいのが嫌なので彼女に僕の存在がばれないよう、すれ違う5メートルほど前から目を細め、唇を鼻につけて変顔をする。幸い彼女に「おいお前!」なんてことは言われなかったが、彼女の後ろを歩くお婆さんに怪しまれ、ものすごく距離を置かれました。
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